Gradationのある空間
(1)「家族の場(子供と大人が一緒に暮らす場)」
幼い子供は親と一緒に暮らしますが、子供たちが成長するにつれて、彼らは独力で活動を始め、友人と過ごす時間が増え、少しずつ親子の接する時間は減っていきます。
そんな中、親子と言えども実際に接してコミュニケーションを取りあうところから、信頼関係は育まれるのだと思います。親子が一緒の時間は、子供が成長するにつれ、貴重なものとなって行きます。
(2)「場」の空間的グラデーション;
「家族の場」
住宅は、家族の空間です。そこには家族のための活動の「場」があります。
家族みんなで寛いだり、食事をしたり、テレビを見たり、・・・。
家族(子供と大人)が憩い、一緒に暮らす「家族の場」は、家の中心的空間です。
「子供の場」・「大人の場」
次に、それぞれの場があります。子供の場や大人の場。プライバシーをある程度確保された自分の空間。家族みんなでの生活を補う空間です。
「中間的要素」
さらに、それらの「中間の場」があります。子供も使うが大人も使う。どちらかだけで使う事のできる場。例えば、2階にお客さんが来た時に、子供が土間で遊んでいる場合の土間は、そんな中間的な場です。
中庭・土間・ファミリールームなどの曖昧な空間が、家族の場となったり、中間の場となったり、それらの境界となったりするようです。
「家族の居る場」から「個人が使う場」まで、家の中の空間はいろんな色が着いて虹のようなグラデーションをなしているとも見えます。
"普通の家3"のように、「中間の場」を持ったグラデーションのある空間構成が、子供の成長とともに親子関係が微妙に変わって行っても、親と子が接する事のできる空間的工夫として、実は大切なのかも知れないと、考えております。
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