モダニズムの建築は、同じ事を繰り返しているかのごとくにも見える。柱・梁のグリッドやルーバーなど、コルビジェたちが全て高いレベルでやってしまった。
現在作られている住宅を見ると、例えばルーバーが壁面を被ったり、或いはとても整理されたストイックなプランであったりと言う事も含めて、生物の局部的進化を見る様な気になる。角が伸び過ぎてぐるぐると巻いてしまったヤギの様な進化は、或いは日本的とも言える文化の吸収過程の様相を示しているのかも知れないが、とてもマニアックな香りのする、硬直した、末期的症状とも見えなくも無い。
何か、素直で素朴なもの。原初的で生き生きとした、自由な印象を与えるもの。そんな、建築が作れないかと思った。 |