建主は、夫婦と4人の子どもの6人家族で、ご主人は自家用車で都心にあるオフィスに通っている。
何はともあれ、旭川に飛んで、敷地を見せて頂いた。まずは敷地に立って周囲を見回さないとアイデアが浮かばない人間なのでいつもそうしている。敷地の形状・道路の付き方・周囲の眺望・周辺の施設配置などいろいろチェックする点があるのだ。
旭川市郊外のこの場所は低い丘の上にある。東に向かってごく緩やかな傾斜はあるがほぼ平坦な、約300坪の南北に長い広い敷地で、晴れた日には南東方向に大雪山も遠望できる。北側を幅18mの都市計画道路、南側を幅8mの区画道路に接しており、道路を隔てた北側は住宅地となっている。南側には公園の林が間近に見える。
敷地及び周囲の状況が把握できたらその中に建つであろう住宅の姿も少しずつ見えてくる。どちら側に入り口を持ってくるか、どちらの方角に窓を開けると眺望が良いか、敷地の外から見ると建物がどう見えるかなどなど敷地に立ってみると分かってくるものである。
今回の様に敷地が広い場合だとあまり問題とはならないが、都心によく見かける変形した小さな敷地の場合だと、どんな形の住宅にするのかの判断はもちろん、鉄筋コンクリートにするのか木造にするのかと言ったいわゆる「構造」の決定や、工事車両の出入りに無理はないか等の判断も敷地を見ないとわからない事が多いので、敷地見学は特に重要になってくる。
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