上石神井の住宅/東京都 (previous page)住宅

上石神井の住宅 アプローチに面する入り口部分

アプローチに面する入り口部分

旗竿形敷地に建つ住宅です。細長い竿の狭い間口の部分に入り口のみが面しています。

上石神井の住宅 土間

土間

戸を開けて中に入ると、長い土間の空間があり、入り口と建築本体を結びつけています。細長い土間には、両側のスリットから光が差し込みます。
この部分は20m近い敷地延長(竿の部分)のうちの7m程を利用して作られました。疲れて帰ってきても、この土間を歩く間に気分が変わります(恐らく)。

アプローチに面する入り口部分

旗竿形敷地に建つ住宅です。細長い竿の狭い間口の部分に入り口のみが面しています。

上石神井の住宅 アプローチに面する入り口部分

土間

戸を開けて中に入ると、長い土間の空間があり、入り口と建築本体を結びつけています。細長い土間には、両側のスリットから光が差し込みます。
この部分は20m近い敷地延長(竿の部分)のうちの7m程を利用して作られました。疲れて帰ってきても、この土間を歩く間に気分が変わります(恐らく)。

上石神井の住宅 土間

1階光庭まわり

土間から入り一番奥の和室まで行って見返したところです。1階の採光のための1坪の「光庭」に面して、浴室や和室を設置しました。光庭を介して、浴室とその奥の洗面所が見えています。光庭はすのこ敷きとされました。
右側に見える木製階段の下も収納となっています。

上石神井の住宅 1階光庭まわり

光庭と収納

階段および和室の収納は扉の替わりに白い布で覆われています。壁の一面が布になった様に見え、柔らかな印象を与える空間となりました。収納には、靴、本、服、布団など様々なものが仕舞われています。

上石神井の住宅 光庭と収納

2階光庭まわり。

居間より光庭を通して北側のダイニング方向を見ています。間に外部があっても、居間とダイニングは一体の空間として感じられます。

光庭の左側に木製デッキがあり居間とダイニングを、更に奥に伸びて居間とキッチンをも繋いでいます。このデッキは団らんの際だけでなく居間から見えない部分では一時ゴミを置くなどサービスデッキとしても利用されます。

上石神井の住宅 2階光庭まわり。

2階居間で遊ぶ子供達

居間の壁は可動式の棚板と一体となって「収納壁」を形成しています。ここには本やCDやTVなどの他、収納ケースも置かれています。子供達がケースの一つからレゴブロックを出して遊んでいるところです。遊び終わったらケースに入れて棚の所定の場所に仕舞います。

上石神井の住宅 2階居間で遊ぶ子供達

2階居間の様子

昼間。

上石神井の住宅 2階居間の様子

2階居間の様子

夕方。南側ハイサイドライトからの光が部屋全体をほんのりと明るくしています。

上石神井の住宅 2階居間の様子

ダイニング

キッチンよりダイニングを通して居間を見ています。ダイニング上部のハイサイドライトは天井面を明るくし、夏の熱気を抜く効果もあります。
床は栗のフローリングにワックスを掛けました。手摺りも木製としました。

上石神井の住宅 ダイニング

ダイニング

北側にあるダイニングですが、光庭を通して太陽光が注ぎます。

 

左側に作業台が少し見えるますが、ここは家事室・TV台・パソコンデスクを兼ねています。窓からは隣家の緑を介して、アプローチが見通せます。

上石神井の住宅 ダイニング

夜景ー1

2階居間より見ています。光庭を通して、居間とダイニングや1階浴室がつながり、一体として感じられます。浴室にはブラインドを付けているので視線を遮ることも勿論できます。

上石神井の住宅 夜景ー1

夜景-2

この様に、光庭を介して、ダイニングは2階の居間と1階和室の両方と繋がっているのが分かります。
光庭は、光の通路であると共に、コミュニケーションの媒介路でもあります。

上石神井の住宅 夜景-2

キッチン

シンプルなキッチンをステンレスにてコンパクトに製作しました。ダイニングとの間に木製のカウンター収納を作り、適度に視線を遮りつつも空間としては繋がるようにしました。

流し台の前には出窓を作り、トップライトと両袖にルーバー窓を付けたので、手元が明るく風も通ります。

上石神井の住宅 キッチン

屋外デッキ

このデッキへは、居間からも、食堂からも、キッチンからも出ることができます。日当たりも良く、団らんのためだけでなく洗濯物干しなどにも利用できます。

上石神井の住宅 屋外デッキ

上石神井の住宅 

◆東京都練馬区の住宅地。敷地の周囲は住宅が建て込んでいる。105.72m2(32坪)の敷地 の40%以上が、2~2.5m幅の20m程の長さの路地状部分となっている。

 

(1)小さな面積の克服

・一時的に子供室となる居間;小さな面積で住むために、居間の一部が将来子供室にもできる様、簡易間仕切りを設置できる様にした。

・収納の充実(a);居間の壁全周、和室の壁一部にレールを埋め込み「可動棚板」を設置した。

・収納の充実(b);階段の下から和室の奥まで、8mの長さに白い布がつながっているが、ここは奥行きのある収納としていろいろなものが仕舞われる。

・収納の充実(c);その他、必要に応じてトイレ・洗面・キッチンなどに作り付けの収納を設けた。

・2階デッキの工夫;光庭に沿って2階のデッキを設置することにより、デッキは、居間に付属したバルコニーとしても、洗濯物を干し生ゴミを一時的に出しておくサービスデッキとしても、キッチンからダイニングを通らずに1階に回れる回遊動線としても機能している。

・土間空間の余裕;居室としては使い難い路地状部分を9m程の長さの内部土間空間として、外部環境と屋内との間の気分転換のはかれる長さと雰囲気(光の取り入れを工夫)を持つ中間帯とした。

 

(2)光庭とハイサイドライト

・周囲を家で囲まれているので、プライバシーの確保と太陽光の採り入れを工夫した。→具体的には、中央付近に1坪の「光庭」、南北各棟の南側に「ハイサイドライト」を設置して、太陽光を十分に取り入れつつもプライバシーを守れる工夫とした。

・光庭が南北に細長い建物の中央付近にあるので、部屋に太陽光を取り入れやすい。

・大きな窓を光庭に面して作る事により、大開口部が直接周囲の住宅に面しなくなりプライバシーが守りやすい。

・光庭が居室と居室の間に入る事となり、これを介して、家族が1~2階での生活の様子を知る事ができる(気配を感じられる)。

・1階の浴室も光庭に面しており、厳しい条件に建つ住宅の浴室とは思えない開放的な空間となっている。

・1階光庭は、木製のデッキとされ和室や浴室から出て、縁側の様に使う事ができる。

・南北二棟とも「ハイサイドライト」より南からの太陽光を採り入れているが、この開口は高い天井の上部にあるので、隣家との視線の交錯が気にならず、また、「空」を見る事のできる窓となっている。

 

(3)その他

・トイレ・キッチン・浴室などの水回りが全て外気に接しており、湿気がこもりにくい。

・キッチンもステンレスにて機能的に設計製作された。

・家事コーナーがキッチン横で道路が見通せる位置に設けられた。

上石神井の住宅

仕上げ概要

 屋根;ガルバリウム鋼板
 外壁;パーライトセメント板
 外部デッキ・手摺り;カナダ杉
 内部;
 床;栗ムクフローリング
 壁;石膏ボードEP塗装、一部シナ合板
 天井;石膏ボードEP塗装
 手摺り;木製(スプルス)、階段;ポプラ

 

設計概要

 主要用途 : 専用住宅
 設計監理 : 荒木毅建築事務所
 構造・構法 : 木造軸組構法2階建て
 敷地面積 : 105.72m2(31.98坪)
 建築面積 : 42.63m2(12.90坪)
 1階面積 : 41.07m2
 2階面積 : 34.71m2
 延床面積 : 75.78m2

 
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