過去のコラム
違うんだな
<室内(工作社) 1998/3 NO519 ミニ・レター>住宅の設計の際、私は、いろいろな機能や空間を入れ込みながらも、材料や形態などの要素を「整理」して、日常の様々の活動を満たす「場」を作ろうと心掛けて きました。そんなやり方で作られた家は、わりと「理性的」に見えるだろうと考え ていました。
ところが前号の特集「あいまいが魅力の家」に、最も理性的な設計を追求しておられる難波氏や葛西氏の作品と一緒に私の住宅がとり上げられ自分の住宅を誌面 で改めて見直す機会を与えられました。写真を見比べてみて、違うんだなと感じました。自分はそんなに理性的ではなくって、どっちかというと感覚的らしいです。 今回の特集のおかげで、これからの自分の設計の方向が少し見えた気がしました
現在、東京・大田区雪が谷で工事中の友人の家もそろそろ内装工事に入るのですが、ここで得られたヒントを生かして、監理に臨もうかなどと考えています。感覚に基づいて設計を大変更してしまうなどという現場泣かせの謀り事ではなく、工務店の意見を聴きながらお互いの長所を引き出し合って、合理的だけど、ちょっと 「やさしい」住宅にしていこうという企てなのです。
◆1998年7月に完成した「雪が谷の家」は、「土間のある家」などとともに、作品集に掲示してありますので、ご覧下さい。
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